プレイステーション(PS)の進化とともにレーシングゲームを変革し続けている「GT(Gran Turismo グランツーリスモ)」。その先頭に立ってクリエイターたちを率いているのが「ポリフォニー・デジタル」のプレジデントであり、SCEワールドワイドスタジオのEVP(Executive Vice President)、山内一典だ。GTは彼のインスピレーションから生まれた。1997年のことである。
「ゲーム産業は、すでに成熟している他の産業に比べたらはるかに未来があり、可能性のある産業です。SCEはハードウェアを提供するSONYとエンタテインメントを提供するSMEが合流して1994年にできた会社で、一貫して新しいデジタル・エンタテインメントに取り組んでいます。時代を演出する楽しさがSCEにはあり、夢や感動を提供している会社です」
SCEはゲーム業界では歴史が浅い。だから、ゲームに対する既成概念がない。枠を超えたゲームをつくりやすい環境にある。それでも、やりたいことを実現するという強靭な意思と周りを説得できるコミュニケーション能力は大事だと言う。
「僕らが作ったものは、まず会社の中の人たちに感染してもらうところから始まり、それが販売店へと伝播して最終的にはユーザーに感染しないとゴールとは言えません。良いものを作る熱意は必ずエンドユーザーまで伝わっていきます。また周囲を説得できなければ、ユーザーも説得できません」
自分が感動しないものは作っても仕方がないと山内は言い切る。
「作る側の感動や驚きが最終的にユーザーに届きます。エンタテインメントというのは、作る側がその時々に感動しているからこそ、受け手がそれを追体験して感動するのです」
作る側が自ら楽しむためには、作っているものの全体を理解し、自分がその世界の一部であることを自覚すべきだと山内は語る。
「ひとつのことだけを理解すればいいということではなくて、仕事も世の中も人の気持ちも全部わかっていると、本当に楽しんだり、感動することができる。すべてが目の前で明らかになっていて、自分がその中の一部であるということに確信が持てた時、その一体感に感動する。そういった能力は誰でも最初から持っているわけじゃない。仕事を通じてコツコツ自分のモノにしていけばいい。そうすると、楽しめる分野がどんどん増えてきます」
10年後は誰も予想できない。技術革新とともにゲームもこれまでとはまったく異なる道をたどると予告する。
「ここ数年のビデオゲームを見ていると、ビデオゲームの様式が大きく変わろうとしているのがわかる。ネットワークの普及で、人々のライフスタイルが変わってきたことも起因しているでしょう。いまは大きな変動期にあるような気がします」
新世代への期待度は高い。想像を超えたゲームが出てくる可能性があると語る。
「どんなエンタテインメントも自分の身体に内面化していなければ作れない。これからSCEに入って来る人たちは、生まれた時にはビデオゲームがあった世代です。身体の内面にすでに世界を持っている。変わりつつあるビデオゲームに対してリアルタイムに自分の身体の中にしみ込ませてきた人たち。そんな世代がゲームの送り手になった時に何が起きるのか。私が経験していないことを経験している世代だから、彼らにしかできないものが必ずあるはずです。それは私の想像を超えているでしょう。GTを超えるものが、きっと出てくるはずです。自分が信じることをやればいいと思います」
デジタル・エンタテインメントの世界は、毎日違ったことが起きる。好奇心とチャレンジ精神を持ち続けている限り、夢は終わらない。山内自身、ずっと仕事を続けていきたいと思っているのは、そうした理由だからである。
© 2010 Sony Computer Entertainment Inc.
Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. "
" is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc.